『銃・病原菌・鉄』というと読むべき本的なランキングに必ず入ってる本。
気になっていたけどタイトルと表紙からして難しそう。
買っても積読認定必至だなと思って手を出していませんでした。
でも昨年この本を読んで俄然興味がわいてきました。
『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』
はい、タイトルからして面白そう~
んで、この本の根底に流れている考え方が『銃・病原菌・鉄』の考えなのだそうです。
『銃・病原菌・鉄』に流れる思想を経済の面から説明したといってもいい。
貨幣の成り立ち、お金持ちと貧乏な人がなぜいるのか、一つ一つ父が娘に問いを投げかけながら考えていきます。
こんなにも優しい経済の話があるのかと感動しました。
それでもやっぱり『銃・病原菌・鉄』の本は手にすら取らずに一年以上たったある日、
Amazonのオーディブルが月々の入会費が割引になるサービスがあったので入会してみると、その中に『銃・病原菌・鉄』がありました。
オーディブルの何がいいって、強制的に聞こえてくるので
家事とか朝の準備の時に再生すれば難しかろうが何だろうが進んでいくこと。
本だったら絶対読み終えることができなかったはずです。
それにしても上下巻あって長かった・・・・
この本の考え方の根本には、文化が違ったり、何かに優れていても
それは、その民族が特別に優れているわけでもなく、また個々の人間の能力の差が特別にあるわけでもないと言っています。
ずばり、環境のせいだよ、と。
たまたま、大陸が横に長くて同じ環境だからで食物を育てる技術を学べたとか、土地が狭くて密集して暮らさないといけないから社会のルールができたとか。
この本を読んだ後には「おもてなしの精神を持ってる日本人ってすばらしいよね」とか「私は努力したから学校の成績がいいんだ」とか恥ずかしくて言えなくなります。
だって日本はたまたま大陸の端っこにあって、侵略も少なく、
安全にのんびりと文化を育むことができる環境にいたから
そんな文化ができたのかもしれないし、
勉強ができる人も多少は遺伝の差もあるけれど、
勉強ができる環境を親御さんや周囲が作っていてくれたおかげで
勉強ができるようになった可能性が大きいのです。
それをさも、自分で勝ち取ってきたみたいに言うっておこがましい。
たまたまそこにいたって言うだけなのに。
逆に言えば、できない人はたまたま、できるようになる環境にいなかったってだけ。
弱い立場にいる人たちに優しい考え方です。
考え方は優しいけど内容はちっとも易しくないんですけどね。
紙の本で読んだ人って本当にすごいと思う。