おはようございます。
マエです。
今回は毎年必ず読み返している大切な本について書きたいと思います。
読むたびに違う発見のある本です。
『アルケミスト』あらすじ(どんな本か)
羊飼いの少年は不思議な夢を見た。
一週間前にも同じ夢を見たが、夢には子供が現れて少年をピラミッドに連れていった。
そして子供は「あなたがここに来れば、隠された宝物を発見できるよ」というのだった。
少年は何度も悩み、時には挫折しながらアンダルシアの平原からピラミッドへの旅を続ける。
この旅の中で少年はこの世の真理を学んでいくのだった……
世界的なベストセラーなのでいろんな装丁で出ています。
私のおすすめはハードカバーのこちら。
小さな聖書のような趣で開くたびにわくわくする。
店頭で手に入りやすい文庫版もでています。
ブラジルの著者さんです。作詞家もされているそうです。
今では世界的ベストセラーですが『アルケミスト』は最初は全然売れなくて絶版にされてしまったらしいです。
でもこの本は売れると信じて別の出版社で再出発。
口コミでじわじわと売れ始め英語に翻訳されてからさらに有名になったとのこと。
ビル・クリントンやマドンナ、ウィル・スミスなど有名人からも紹介されニューヨークタイムズのベストセラーリストにも掲載されたそう。
他の作品では『星の巡礼』『ベロニカは死ぬことにした』など。
他の冒険ストーリーと趣が違うのは少年がずっと迷っていること。
通常冒険ものの主人公は確固とした信念があり、強い意志をもって迷うことなく冒険に旅立ちます。
ところが少年はずっと迷っています。
羊飼いをやめて旅に出るときも、クリスタルの商人のところで働いていたときも。
少年は賢くて器用なので、だいたいの仕事はうまくこなします。
どちらの仕事もある程度、満足のいく成果も上げて、人並み以上に稼ぐことができるのです。
普通ならここで良しとし、本当にしたいことがあっても現状維持、慣れて安定したほうで行こうと思うでしょう。
だからこそすべてを捨てて旅に出ることにグラグラ迷います。
そりゃあ迷いますよね。
命を懸けた旅でなくても、例えば転職だとしても迷います。
人間関係も良くて収入にも満足だったら、本当に好きなことじゃないからって簡単に辞めれないですよね。
上手くいってないなら「ちくしょう!」と思って勢いで辞めるけど。
そんな少年だから何度も読んでいるのに感情移入してしまいます。
だまされたときのシーンなんていまだに胃がキュウっとなります。
あまりにもおすすめのシーンが多い本なので、その中から一番好きな場面を。
旅に出る決心を促してくれた老人が少年に語るお話です。
父親から世界で最も賢い男から幸福の秘密を学んでくるように命じられた少年の話。
尋ねてきた少年に、賢者は自分の宮殿を見て回って2時間後に来るようにと言います。
その際に、2滴の油が入ったティースプーンを持たせ、こぼさないようにしろと命じるです。
2時間後、少年が戻ると賢者は自分の宮殿の素晴らしい芸術作品や庭は見たかと尋ねます。
少年が油がこぼれるのが気になってスプーンばかり見ていたと話すと、賢者は再度見てくるように促します。
素晴らしい庭や部屋の装飾品を夢中で見て周り帰ってきた少年に賢者は再び尋ねました。
「油はどこに行った?」
素晴らしいものに夢中になり過ぎて少年は油がこぼれたのにも気づきませんでした。
賢人は少年に言いました。
『では、たった一つだけ教えてあげよう』とその世界で一番賢い男は言った。『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』
シビレます。
この物語の中ではこのようなことが何度も形を変えて説明されます。
キャンディを作るのが大好きなキャンディ売りの少年の素晴らしさや、日常の中から真理に気づいたとラクダ使いの男の話がでてきます。
彼らは「世界のすべての素晴らしさを味わい」ながら「スプーンの油」=「日常や生活の中にある大切なもの」も忘れていない人たちなんです。
- 夢が叶わなくてモヤモヤしてる人
- 夢って?やりたいことって何だっけ?と思っている人
- 大事な決断をしたい人、決断ができない人
- 大切な人ができた人
- 不思議なお話が読みたい人
最後に、私と『アルケミスト』との出会い
私が最初に読んだのは高校生のとき。
文庫版で世界的ベストセラーの帯がついていたのが気になって購入しました。
ただ、その時は少年が不思議な体験をして宝を手に入れる話かーくらいにしか感じませんでした。
何でこれがベストセラーなんだろう?って思って特に感動はありませんでした。
次に出会ったのは30代中ごろ。
本屋主催の読書会に参加したところ、以前別のイベントでお話したことがある人に再開しました。
感じの良い方だと思っていたけどそのあと特にご縁がなく、会えてびっくり。
その方が自分のバイブルだと紹介されていて、気になって再読したら以前読んだとは思えないくらいビシバシ来ました。
高校生の時の私、目は節穴か?ってくらい。
それから毎年自分の誕生日に読み返す本になりました。
(その、紹介してくれた人がやっていて素敵だと思ったので真似してます)
読み返すタイミングが年々少しずつズレて、今は関係ない8月に読んでますけど。
本を進めてくれた方とはその後もご縁が続いて、人生の教訓だけでなく、友達も紹介してくれた本なのでした。