『お探しものは図書館まで』あらすじ
仕事のこと、いつかと思って後回しにしてる夢、職場・家族・恋人との人間関係、生き方……もやもや・鬱々と悩む5人の男女
住んでいる地域のコミュニティセンターにやってきて、勧められるまま図書館のリファレンスコーナーに立ち寄ります。
そこにはお団子ヘアで大きな体を丸め、何かを針でぶすぶすと刺していると司書の姿が。
一見怖そうな大女の司書・小町さんが悩める男女に本を選びます。
その選書の中にはなぜか関係のない本が1冊、そして小町さんが針を刺して作るフェルト小物の付録付。
悩める人たちが本と付録を通して自分の答えを見つけていきます。
『お探しものは図書館まで』を読んでの感想
この本にでてくる悩んでいる人たちの悩みは決して深刻なものではない。
だけど喉に引っかかった魚の小骨のように、本人たちを悩ませています。
そんな彼らに本を紹介するのは個性的な外見の小町さん。
この本を読んでまずは小町さんに会いたい、そう思いました。
小町さんに本をお勧めしてほしい。
あわよくば本の話もしたい(たぶんあまり長くは話してくれなさそうですが)
彼女の羊毛フェルト作品も見せてほしい。
そして、「何をお探し?」と声をかけてほしい。
小町さんの声はどんなに魅力的なんだろう?
悩んでいる人に最初の言葉を紡ぐように促す声。
読み進めるうちにどんどん知り合いが多くなってくるような(私の大好物な)そんなストーリー展開。
一人一人に家族がいて、恋人がいて、大切な人がいてそれぞれの暮らしと人生があるんだなぁと思える作品です。
それぞれの登場人物が抱えている悩みも、自分がかつて悩んでいたことだったり、今現在進行形で悩んでいることだったり、見ないふりしていることだったりして、はっとさせられます。
なにより言葉がぐっときます。
考え方や表現の仕方が素敵なんです。
今回、いいなぁと思ったいくつもの言葉をブログにも掲載しようと思ったのですが、そこだけを抜き出してみてもなんだかしっくりこない。
そのストーリーの中で出てきたから、その人物が言ったから素晴らしい表現だったりします。
その背景込みでの素敵な言葉たち。
ぜひ物語を読んで直接味わった欲しい。
一冊手元に置いて何度も読み直したい、そんな本です。
『お探しものは図書館まで』はぜひこんな人に読んで欲しい
- 本が好きな人
- 日常の些細な悩みがある人、そんな悩み人に相談することでも……と思っている人
- 優しい気持ちになりたい人