昨日より今日はちょっとだけいい日に。

「続ける」やる気をキープするための記録ブログ。いまのところほぼ振り返りブログ。時々思いついたように別のことを書いています。日々の記録になっているブログですが書くようになって達成率があがってます。こんな自分しか得しないブログを見に来てくださる皆様に感謝です。

【本のゆるレポ】『うまいこと老いる生き方』 中村恒子・奥田弘美 著

こんばんは。
マエです。
最近読書習慣が廃れてしまっていたので久々の本ブログです。

年間目標で「自分の不安を解消するための知識を得る」と決めたので、老いに対する考え方を知るために手に取った本です。

 

 

「うまいこと老いる生き方」を読んだきっかけ

今年の目標で「自分の不安を解消するための知識を得る」と決めました。

 

maemi.hatenablog.com

 

そのために読んだ最初の本です。
ほわっとしたイラストと対談式の読みやすい内容。
表紙の帯を見ても希望が持てそう。
手に取ったのはそのような理由でした

 

「うまいこと老いる生き方」を読む目的(期待)

老いるということは未知の経験です。
まずは先に親が経験し、そのあと必ず自分にもやってくる。

私の老いに対する考え方はネガティブで不安しかありません。
気持ち・身体にどう変化が来るのか、事前にわかることがあれば不安が小さくなるかもしれない、そういう思いで手に取りました。

「うまいこと老いる生き方」本の著者

2人の精神科医・中村恒子さん(92歳)と奥田弘美さん(54歳)の対談形式の本となっています。
中村さんは戦後の日本で医師をしながら2人の子供を育て上げたツワモノ。
奥田さんも精神科医であり日本マインドフルネス普及協会の代表理事などされている方だそうです。
もうバリバリのキャリアウーマン。
お話の端々に、今よりもずっと女性が働きにくかった時代を乗り越えてこられたんだろうなと伺えます。

でもお二方とも精神科医をされてたくさんの人の悩みを聞いているからか、言葉が柔らかく読みやすかったです。

 

 

「うまいこと老いる生き方」の内容

この本の内容で紹介されている内容は大きく分けると3つ

  • 老いよる変化を受け入れる
  • 不安への対処
  • 死ぬということを考える

に分類されるように思います。

それぞれ複雑に絡み合っているから、はっきりと分けることはできないけれど、この3点を抑えたらうまく老いていくことができるのかも。

 

老いによる変化を受け入れる

老いてくるといろんな変化が訪れます。
その変化は大きく分けると自分自身に関することと周りの環境の2種類。

 

精神的・身体的な部分の変化

歳をとると身体にたるみが出たり皺が出てきたりする。
でもその分、若い頃みたいにメイクやファッションに気を使わなくなる

万事に付けて歳をとると気楽になるね

とのことです。

性別の縛りや人の目から解放される

たしかに歳を取るほどジェンダーの境が曖昧になるかも。
人にもよるのかもしれませんが、着飾ることへの興味自体が薄れるらしいです。

でも世間には「アンチエイジング」という言葉が溢れていて、歳をとっても若々しく!と煽られます。

でもこの本ではアンチエイジングは不老不死を求めるのと同じことだと言っています。
求めすぎると不安・不幸になるものだと。

老いていくのは人間として自然なことであって、病気でもなんでもない

なんだかちょっとホッとします。

 

気力・体力の衰えも悪いことばかりでないとお二人は言います。
自分を縛っていた「欲」や自己実現や人生を充実させないとという焦りからも解放されるそうです。

また、

老いると、人間関係の軋轢を起こすエネルギーも自然と少なくなる

とのこと。
確かに若い時はやんちゃだった話は多いですね。
人間が丸くなるというより気力が衰えるから、自然とトラブル起こすのが面倒くさくなるらしいです。
喧嘩するのもエネルギーいりますよね。

 

環境の変化

環境の変化は社会的役割の変化と人間関係の変化です。

若い人が中心に社会を回していくものだから、歳をとると役職についている人も役を離れていく。
子育ても終わる人も多いので

責任やプレッシャーから次々に解放されて行く

つまり、仕事に対するストレスも軽くなっていくそうです。

 

また、役割の変化とも関連して人間関係の変化も訪れます。

気力・体力が減るから多くの人と付き合えなくなる。
なので自然と関係性の薄い人とは疎遠になり、近しい人・感覚が似ている人との付き合いになるそうです。
無理な付き合いをしないからそのストレスからも解放されるそう。

 

人間関係の話で印象深かったのが

友達とわいわい楽しむことにも、かけっこや歌と同じで才能がある

という言葉でした。 
なんとなく、大勢がいる場が苦手なのは努力で克服できるもの、克服しないのは努力不足って思われる感じがしていたのでこの言葉は救われます。
才能なら、私にその才能がないんだからしかたないじゃん、って思える。

 

老いへの変化は全般にあまり良い印象はありませんでした。
私はまだ、老いを感じるなんて言ったら笑われる年齢ですが、それでも20代30代のころに比べてイベントに毎週出かけたり、飲み会に出るフットワークの軽さもなくなってきました。
なんかこれって駄目だ!もっとアクティブにならないとと焦っていましたが、なんでも物事には表と裏があるように手放すものがあれば入ってくるものある。
必要なのは変化しないように抗うのではなく、変化のいい面を見つけていくことなのかもしれません。

 

 

不安への対処

不安とどう折り合いをつけていくのかもこの本では語られていました。
漠然とした不安、これは年をとった人だけでなく老若男女すべての人に対してです。

その不安の根っこを探すこともが大切なのだそうです。
漠然とした不安の根底にあるものを見定めれば、その不安を解消するために何をすればいいかが見えてきます。

また悩んでる人は暇な場合が多い。
自分をほどよく忙しくする、1人の時間が増えてきたらわざと時間のかかる方法を選ぶのもいいそうです。
今は時間を作るために時短家事が流行っているけど、あえて手間暇をかけて丁寧に生活するってものいいそうです。

他の本でも言われているけどマインドフルネスも良いとのこと。

さらに時間帯も気を付けたほうがいいそうで、夜になるにつれて人は不安になりやすいのでさっさと寝てしまうことも対処の一つだそう。
これは実践しやすくていいですね。

 

 

死ぬということを考える

うまく老いるに為に自分がどういう最後を迎えたいかということは避けて通れません。
自分がどうなるかなんて誰にも分りません。
でも、どういう最後があるのかを知って、その状況になったときに自分はどうしたいかを元気な時に事考えておくべきとのことです。

 

死ぬことを考える①「延命治療は受ける?」「受けない?」

自分で食べられなくなったり、呼吸できなくなった時に人工呼吸器などを使用するのかどうか。
その判断をするためには日本の終末医療の現状を知ることが必要です。

私は前々から「延命治療は受けたくない」と思っていたのですがこの本を読んでさらにその思いが強くなりました。
私も「死ぬことが怖い」という感情はありますが、死んでしまえばそこでもうお終いなのだからよく考えたら死んだ後のことは怖くありません。
では何が怖いかというと死ぬ前にやってくる苦しい・痛いこと。
それらを長引かせるであろう「延命治療」は恐ろしいと思っています。


でも、この考え方は人それぞれだと思います。

みんな同じでなくていい。

でも、自分で判断できない場合に備えて動けなくなった時のために、自分の考えを身近な人に伝えておくことはみんなしていた方がいいと思います。
その意思を示しておくことを「リビング・ウィル」というそうです。

songenshi-kyokai.or.jp

サイトには書式も載っています。
こちらで医師を示すことは自分自身も安心ですが、なにより家族にその選択をさせるという精神的な負担を減らすことができるのもいいなと思います。
他にも「尊厳死宣言公正証書」という有料のサービスもあるそうです。


死ぬことを考える②孤独死とは本当に避けるべきものなのか

だれにも看取られず死ぬというのは、一人暮らしの老人が人知れず無くなり日が経ってから見つかるというニュースを思い出すので残酷なイメージがついています。
世間では孤独死は「寂しいもの」「絶対に避けるもの」をされていますが、中村先生の意見は違います。

入院のベッドにいても急変して家族が駆けつける前に無くなる場合もあります。
知っている人に看取られていないという意味で言えば孤独死だし、大勢に看取られていても「誰かが手を繋いで一緒にあの世に行ってくれるわけではない」といいます。

孤独死で人に迷惑をかけるのが嫌だという人には、それを防ぐために見守りサービスがあるのでそれを活用すればいい。

これは自分だけでなく親の介護にも言えることですね。
ずっとそばにいないと、一緒に暮らさないと親不孝と思うと無理をし過ぎて自分の生活まで損いそう。
人は本来孤独なものだというベースを持って、どうサポートすれば快適に過ごせるかを考えるようにすればいいと思いました。

 

死ぬことを考える③人生の終わりに後悔しないように生きる

死ぬことを考えるためにはどう生きるのかを考えるべきです。
穏やかに最後を迎える人の共通点として「やりたいことを、できるだけ後回しにせずに実行されてきた」ということがあるそうです。

中村先生曰く、

人様に大きな迷惑をかけない範囲でわがまましても、何も問題あらへん。
「わがままだ」って言ってくる人の大半は、他人が自分の思うように動いてくれなかったり、合わせたりしてくれないから駄々をこねてるだけや。

とのこと。
頼もしい。勇気づけられる言葉です。

 

 

『うまいこと老いる生き方』はこんな人におすすめ

  • 漠然とした不安がある人
  • 身体や精神の衰えを感じている人
  • 将来に不安を感じる人

私は今年の目標「自分の不安を解消するための知識を得る」の第一弾の本としてこちらを選んでよかったなと思いました。
自分の老いにも親の老いに関しても指針を持てた気がします。
自分で定期的に見直すためにまとめたので、長いまとめになってしまいましたがやむなし。