『ホワイトラビット』あらすじ
仙台で起きた「白兎事件」
強盗が民家に押し入って立てこもり、テレビ中継まで行われたこの事件。
謎の多いこの事件の裏側では、会社の金の横領・誘拐・殺人など様々な事件が起こっていた。
誘拐専門店会社の社長の稲葉、その社員の兎田とその妻の綿子ちゃん、いつも冷静な空き巣の黒澤、詐欺コンサルトの折尾、何かしら秘密がりそうな母と息子、妻と娘を亡くした刑事の夏之目。
それぞれの思惑が絡む駆け引きが始まる。
『ホワイトラビット』を読んでの感想
って、あらすじを書くとハードボイルドっぽいお話のようですが、どちらかと言うとドタバタ劇に近いテンポの良いストーリー。
このお話の主要人物に善良な市民はでてきません。(綿子ちゃんは善良かな?)
みんな何かしらの犯罪を犯している。
空き巣・詐欺師・誘拐犯・殺人犯……
でも稲葉以外(こいつは最低)なぜか憎めない。
伊坂さんのそれぞれのキャラクターづけが素敵です。
特に空き巣の黒澤さんが好きです。
淡々として落ち着いて感情に流されないようで情に流されてくれる。
そして読んでいて何度も騙されます。
え?どういうこと??って何度も前に返って読み直したことか。
読み進めるのが1番理解するのに早いって分かっていてもつい戻ってしまう。
伊坂幸太郎さんの作品の特徴
伊坂幸太郎さんの作品は文章や人物設定が素敵なことはもちろんですが、1番は別の作品の登場人物がしれっと他の作品に出てくること。
知らない土地で知り合いに偶然出会った時のような嬉しさや驚きがあります。
今回は一つの作品の中でそれが味わえます。
あら?なぜあなたがそこに?
もしかして以前お会いしましたか?
そんな気分で読み進めることができます。
『ホワイトラビット』ぜひ読んで欲しい
どうなるんだろうというドキドキ感
えー?!やられたーっていう思いをしたい
って人におすすめです。
久々の小説、楽しかった。
電車の中で読むのはお勧めしません。
夢中になってうっかり駅に降り過ごします。
(実話)
今年は計画的に読書を進める
2月に今年の読書のブログを書きました。
『ホワイトラビット』はその計画の第1冊目です。
良いスタートが切れました。
次は『お探しものは図書館で』を読みます。